散歩道<2846>
社説・温暖化と科学技術(1)・太陽を長期戦略の柱に (1)〜(3)続く
「電子計算機」というものが世界を変えそうだ。そんな予感はあった。
だが、テーブルの上に置いたりバッグに入れて持ち運んだりできるパソコンが、こんなに広まるとは思いもよらなかった。まして、インターネットで情報が飛び交い、電子メールで連絡をとりあう時代がくるなんて。
これは、団塊世代の多くが若い頃を振り返ったときの偽らざる実感だろう。科学技術にとって40年間がどれほど大きな歩幅か。それは、ちょっと昔を思い起こすだけで実感できる。
科学技術の潜在力に期待
今世紀半ば、すなわち40年ほど先までには、地球を暖める二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を世界全体で半分に減らす。これが、いま主要8カ国(G8)が世界の合意点にしようとしている筋書きである。
この目標を満たすには,省エネルギーの水準を高めるだけでは間に合わない。石油や石炭を燃やさなくとも済む新しいエネルギー源が欠かせない。単みの綱は技術の進歩だ。
この時間幅で想像を超えるものを生み出す潜在力が科学技術にはある。それを忘れてはならない。
新しいエネルギー源を考えるとき、40年前の電子計算機に相当するのがいまの太陽電池だ。これも現在の技術だけを見て未来を語ってはいけない。数十年先に大化けして、世の中を大きく変えることがありうるからだ。その可能性を念頭において、開発予算を投入していくべきだろう。
いま広く使われている太陽電池は、半導体の結晶シリコンでできている。硬いパネルに加工するので、屋根に置いたり空き地に並べたりする。
だが、「第2世代」といわれる次世代型のなかには、まげても大丈夫なプラスチックに半導体の微粒子をくっつけるタイプがある。工夫すれば、日傘でも衣服でも車のボデーでも「小さな発電所」に変えられる。そこで生まれる電気は、各種の機器の充電にも使える。こうして、日々の暮らしのエネルギー自給率をすこしずつ高めていくことが出来る。
'09.3.16.朝日新聞
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