散歩道<2847>
                      社説温暖化と科学技術(2)太陽を長期戦略の柱に                    (1)〜(3)続く

エネルギーを分散型に  
 
 これは集中型のエネルギー社会に風穴を開けるに違いない。大量の燃料を輸入してそれを巨大な発電所で燃やし、送電網を通じて電気を配給するシステムの転換だ。身近なところで電気を起こすので、送電ロスもほとんどない。エネルギーの地産地消である。
 もし日本が率先して太陽光による分散型エネルギー社会を作れば、それが世界にも広まり、産油国などにエネルギー供給の根っこを握られている世界経済を変えることもにもなる。
 太陽光発電には、広い面積をとるので量を稼げないという欠点がある。政府の原子力立国計画も、太陽電池を東京の山手線の内側に敷き詰めても源発1基分にしかならないとする試算を紹介している。この点では、原子力が当面脱温暖化の助けになるだろう。
 だが長い目で見れば、太陽光にも大規模太陽発電という選択肢はある。太陽電池を並べる発電施設を海に浮かべたり、国際協力で砂漠に造ったりすることは出来るはずだ。宇宙空間で太陽光を受けるというアイデアもある。これができれば、巨費を投じる宇宙開発の成果を社会の基盤技術として生かすことにもなるのではないか。

   
'09.3.16.朝日新聞


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