散歩道<966>
         中国の外貨 使い道注目(1) 準備高世界一  黒字・投機資金・・・・1兆jへ      (1)〜(2)へ続く 

05 年外貨準備高の比較
順位 国・地域 j
1 中国(2月末) 8536
2 日本(3月末) 8520
3 台湾 2579
4 韓国 2168
5 ユーロ圏 2074
6 ロシア 1820
7 インド 1352
8 香港 1277
9 シンガポール 1190
10 メキシコ 767
日中以外は1月末現在で国際通貨基金調

 米国債の運用減求める声も
 
中国の外貨準備高が日本を上回り世界一の水準になった。貿易黒字や海外からの投資だけでなく人民元高を見込んだ投機資金を含め、膨大な外貨が中国に流れ込んでいる。中国政府は
人民元高を抑えるため元売りドル買いの為替市場介入を続けており、日本の大規模なドル買いが介入が復活しない限り、当面は中国の世界一が続く見通しだ。潤沢な外貨の運用先は、世界
経済に影響を及ぼすだけに、内外から注目が集まる。中国の外貨準備高は2月末で8536億j.この2年で倍増し、GDP国内総生産の4割近い規模だ。毎月平均177億jづつ増えており、この
ペースだと1兆jに達する。05年の年間増加分2089億jの内訳を見ると、貿易黒字がほぼ半分、海外からの直接投資が3割、海外華僑の預金などが1割で、残り1割は人民元高を見込んだ
投機資金などだった。外貨が必要以上に流入するため、外貨を売って人民元を買う圧力が掛かる。中央銀行である中国人民銀行は、元高を抑えようとドルを買って元を売る介入を続けている。
外貨準備高が増加速度をあげた01年頃は、アジア金融危機の記憶も残り、国内では外貨準備に肯定的な見方が強かった。しかし、最近は、元高を安く抑えた結果の外貨増とみる。米国からの
批判を浴び、国内の議論や政策にも変化が出てきた。中国人民銀行の
呉暁霊・副総裁は5日、国営新華社通信に対して「国が集中して保有する外貨を民間がもっと持てるように規制緩和する」と
延べた。中国政府は外貨を海外へ出す意味もあって、中国企業の海外投資を勧めたり、個人の外貨持ち出し規制を緩めたりしている。さらに中国は政府試算を積極的に運用して収益をあげ
ようとする傾向が強く、外貨準備も「ポケットの銭の重みを喜ぶより、運用益を挙げる工夫をすべきだ」
(栄国青・北京大学)等と批判が出ている。現在の主な運用先は外国公債で、米側統計から3割
以上が米国債とみられる。中国内から「米国債の保有高を徐々に引き下げるべきだ」
(成思危・全国人民代表副委員長)などという発言が香港紙などを通じて時々伝わるのは、「米国に対する政治的な
揺さぶり」
(伊藤隆敏・東大教授)だけでなく、中国自身が膨大な外貨の使い道を模索しているようだ。これまでに、国有銀行の不良債権を処理するために、資本注入に600億jを投じた。海外からの
資源購入や途上国支援の基金設立なども議論されている。

'06.4.8.朝日新聞

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