散歩道<937>

                      大集合・(448)1783・(132)  波聞風問・異次元緩和の修正(3)・終わらない日銀の「錬金術」 

  戯曲ファーストのモデルとなったローの成功譚(たん)には続きがある。開発会社の株価バブルはほどなくはじけ、紙幣の信用が失墜。国家経済は急速に悪化した。それがフランス革命の遠因になった。
 この「ミシシッピ・バブル」の経緯は、バブルとその崩壊がどれほど国民生活にひどい影響をおよぼすかを後世に伝える教訓となり、世界三大バブルの一つに数えられる。
 遠い昔話ではない。紙幣をどんどん刷って、政府の巨大な財政赤字を穴埋めするかってのローのやり方は、国家財政を事実上支えるいまの日銀の姿に重なる。
 おかげで日本国民は、本来支払うべき税金の半分ほどを政府に収めるだけで毎年度の財政をしのげる。ありがたき錬金術かな。いや、こんな都合がよすぎる政策がずっとまかり通るなら「魔法の杖」と呼んでいいほどである。
<検>政治

'18.10.5.朝日新聞・編集委員・原 真人氏