散歩道<925>
インタビユー 21世紀のための経済学(5)
気候変動や貧困、金融危機・・・。経済学者のケイト・ラワースさんは課題解決に既存の経済学が役に立っていないとし、21世紀の経済学をつくろうと呼びかける。来日して「朝日地球会議2018』で講演した。キーワードはドーナツ。学生時代から抱く、右肩上がりの成長モデルへの疑問が原動力になっている。
■ 成長依存を抜け 基礎から再設計 いまがチャンス
・・・富を分配する設計とはどういうものでしょうか。
「土地であれば、地価税と組み合わせてコミュニーティーによる土地の共同利用を増やすことです。従業員がオーナーとなって企業の利益を分け合う事です。知識や技術をだれでも利用できるようにすることなども入ります」
「国境を超えた企業の経済活動に対するグローバルな課税も有効な手段です。富裕層が逃れている税金分で世界を2度、極度の貧困から救えると言われています。極端な個人資産に特別な税をかけ、金融取引や不動産への課税強化も検討すべきです。激しい抵抗が起きると思いますが、各国が協力して蓄積された富の分配に動くよう、市民が結束して強く求めていく事が重要です」
・・・循環型の経済や富の分配は、実現しても部分的で、全体を変えようがないのでは。
「一番の問題は、各国で政治経済の運営に責任を持つ人達や、国際機関が話を始めようとしないことです。経済成長という前提を疑う人は増えています。成長率が
0%台の国もあるのですから」
・・・・ドーナツの概念は、企業関係者から共鳴されることが多くなったと話していますね。
「企業活動を通じて利益だけ生むのか、価値も創出するのかの分かれ目だからです。対応には5段階があります。何もしないのが1段目。次は見返りのあることをすること。この段階にある企業が多い気がします。その次は応分の責任を果たすことです。その先は、温室効果ガスの排出をゼロにするなど害を及ぼさないこと。ここを目指すと宣言する企業も増えてきました」<検>政治・経済、
経済学者・ケイト・ラワースさん ’18.10.13.朝日新聞
