散歩道<869>
大集合(393)・1671・ 思想の言葉で読む・21世紀論・マルチチュード(2)
「共の時代」迎えた人類
哲学的難解さの一方で、娯楽映画の宣伝文句のようなことも平然という。「マルチチュードは怪物的な本性を持つ」「蘇(よみがえ)ったヴァンパイアだ」 (マルチチュード』(日本放送出版協会))ネグリらは現代を危機の時代とみる世界の混乱や「貧者と富者の無残なまでの格差拡大」を見ても、 グローバル秩序形成の失敗は明白だ。危機を解決できない支配者に代わのが怪物的な力を持つマルチチュード。怪物性は現代を生きる全ての人間の中にある。人々はマルチチュードに変身し、新しい民主主義社会の変革の担い手になる可能性を持つという。「理論としては乱暴だが、もうユートピアは消滅したと誰もが思っている時代に、まだ可能性はあると言い切った新鮮さがある」。そう評価するのは社会学者でドイツ語翻訳家の島村賢一氏だ。『新世界秩序批判 帝国マルチチュードをめぐる対話』(以文社)を訳した島村氏は「論には社会科学の研究者の立場からはとても同意できない点が多い」という。「だが人に希望を与えるのが思想の重要な役割だとすれば、その意味は否定できない。世界はこう変わっていくという未来への息吹きを感じさせる」'06.2.15.朝日新聞、
備考:散歩道<99>日本に影響を与えた外国人、<662>*1明治文化人の訳業・外来語、<663>*1日本人の造語能力、
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