散歩道<863>
大集合(387)・1665・ 思想の言葉で読む21世紀論・再魔術化(2)
科学文明の陰、闇が広がる
表彰文化論の研究者塚原史氏(早稲田大学)も現代社会の魔術性に注目する。「あらゆるものが情報や記号に置き換えられ中るで、意味から切り離された記号がひとり歩きしている。人間が記号に操られている光景は魔術としかいいようがない」魔法のような見えない力に世界が動かされる現象は社会全体に広がっている。金融市場では現実感がない数字が飛び交い、人間の運命を狂わしている。「政治も呪述化している」と塚原氏は見る「魔法使いの杖のひとふりで世界が変るように、政治家の短い言葉に大衆が幻惑される。自ら望んで引き寄せられていく現象は理性では説明できない」 塚原史氏は、現代の記号化社会を分析してきた思想家のボードリアルが、早くから「現実の消滅」を警告していたことに注目する。 「情報や記号は現実を映したもののはずだが、情報化された世界が現実以上にリアルに見えるために、本物の世界からは現実感が消えてしまった。気がついてみると、何が本当の現実なのかが解からない。現代人は魔法の森奥深くで迷って、後戻りできなくなったのかもしれない」 近代の文明は神秘や迷信などの非合理なものを排除し、科学的な合理性と効率の道を目指した。「脱魔術化」と呼ばれる流れだ。科学や合理主義を疑うことは、再び魔術の世界に戻ろうとする時代錯誤的な行為だと厳しく批判されてきた。それなのに、近代文明が究極の発展を遂げた21世紀に、なぜ非合理な世界が再び姿を見せているのだろう。'06.2.13.朝日新聞
散歩道<490>21世紀の環境・経済・文明講演会(1)、<461>(2)、<462>(3)、<490>21世紀のビジョン改革のバイブル、
関連記事:散歩道<130>昔の魔法・現代の魔法、<379>水木しげる様の世界、<450>面白い話,18、<504>曽我蕭白展、
<450>-18、面白い話・情報化時代は何でも記号化する。