散歩道<853>
大集合(377)・1653・ トリノ五輪を見る(1)・井村雅代さん意見
陰で支える人にも注目
1653 トリノ冬季五輪の開幕が近い。関西に拠点をおくオリンピック選手を育てた井村シンクロナイズスイミングクラブ代表の井村雅代さんの見方は違うなぜ人はスポ−ツを愛するのか。それは強い人が勝つからです。シンクロやフイギュァ−スケートなど採点競技でも、観客が納得できない不明瞭な採点があってはいけません。フイギュァは新しい採点法が導入され、観客が納得いく結果に近ずいたと思います。昨年12月、大阪であったフイギュァのNHK杯を見てシンクロは遅れをとったと思いました。シンクロも今の採点を変えるべきと誰もが思っています。でもフイギュァにはジャンプでこけたりするような解かりやすい基準がありが、シンクロにはない。どういう方法があるのだろうと模索中です。それから、オリンピック報道で勝った選手を大きく取り上げるのは当然ですが、いつまでも選手をクローズアップするのではなく、その選手を育てた人々にも目を向けてほしいですね。私は仕事柄勝った選手をみるとコーチやトレーナーはどんな人だろう、栄養士は誰だろうと考えてしまいます。
表に出る選手は皆に支えられ、作り上げられた”合作”なのです。例をあげると、シンクロナイズスイミングの選手の水着には直径5、6ミリのスパンコールが無数についていますが、これをつけるのは選手のお母さんです。泳ぎやすくてきれいで軽く、とお母さん達は必死で考えます。裁縫が苦手でも子供の成長とともに上手になります。勿論、業者に頼めるけれど、それは寂しい。その水着でオリンピックに出る選手は、親の気持ちと一緒に泳いでいるのです。人の輪があり、多くの人に助けられて試合に出られる。最高に幸せ者やね、とデュエットで活躍した立花美哉、武田美保にもよくいっていました。それが解かっている選手は引退後、立場をかえて支える方に回り、自分できることをしようとします。教え子の藤井来夏はシンクロのプロチームを作り、立花美哉はアメリカの大学で語学とシンクロ全般について学んでいます。これからは英語が必要ですから。私は表舞台に出るよりも、仕掛けの人に魅力を感じます。音楽、振り付け、など全体を演出し、選手の体力と技術をきたえるコーチは、選手の陰の存在です。一種の職人でマニュアルもありません。表に出て目立つのがかっこういいという若者が多いようですが、陰で人の力になるかっこうよさをみいだしてほしい。しんどさの裏にある何百倍ものやりがいを知ってもらい、コーチになりたいと思う人を増やすのが私の役目かなと最近、思います
'06.2.7.朝日新聞 シンクロナイズスイミングクラブ代表井村雅代様
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備考:井村雅代さんが北京オリンピックまで中国のコーチに就任されるそうです。日本チームにとっては最大の強敵出現だそうです。2006年12月26日