散歩道<824>

                    面白い話・大集合(360)・1614 面白い話(92)逆鱗・圧巻子煩悩

1612、中国の君主にもあった!「逆鱗(げきりん)
 中国の戦国時代の人、韓非
(かんぴ)は法家の大成者で、法律・刑罰を政治の基礎とし、『韓非子』という本を書いたことになっている。その中に、「竜は性(たち)やさしい動物だが、喉(のど)の下に逆さに生えた鱗が一枚だけあり、それに触れるものがあれば、その怒りはすさまじく、触れた人間を殺してしまう」という話があって、君主にもこの逆鱗に相当するものがあるから、意見を言う時は、それに注意しなくてはならないというのである。今のサラリーマン諸氏、社長の「逆鱗」に触れることを恐れてか、あたらずさわらずの意見しか具申しないことが多いと聞く。もっとも今は、君主のごとき社長も少ないが・・・・・樋口清之様

1613最優秀の答案「圧巻」
 昔の中国では、政府高官となるべき人材を広く全国に求めた。この官吏登用試験を"科挙”
(かきょ)といったが、試験のきびしさ、競争率の高さは、現今の教育ママの想像を絶するすさまじさだったという。科挙で最優秀の成績を取った者の答案(巻)は,他の答案の一番上に置かれるしきたりがあり、たの答案を圧(お)しつぶすほどすぐれているという意味で、圧巻とよばれた。数万の受験生が苦心して書き上げたものの中のナンバーワンなのだから、まさに「圧巻」である。しかし、この受験地獄は、一時、国民の元気をすりへらし、当落の非喜劇は多くの小説、戯曲の素材になったほどだった。現代日本の教育界、この故事をどう受け取るべきか。樋口清之さん

1614、苦楽の区別がつかない親バカの極致「子煩悩(こぼんのう)
 子供の事となると、親が盲目になるのは洋の東西を問わない。「子煩悩」もそのたぐいで、本人はそれをなによりの幸福と思っているらしい。ところが、この言葉は、本来幸福どころか苦痛や悩みを意味するものだったらと言ったら、世の子煩悩の親はどう思うだろう。もともと煩悩とは、仏教で、衆生が理想郷に至る道を妨げる障害のこと。ふつう根本煩悩として、貪欲、瞋恚(しんに)(怒り恨むこと)、愚痴,猜疑、謬見(みょうけん)(誤った見解)などが挙げられる。子どもの出世に貪欲になったり、怒り、愚痴をこぼし・・・・と四苦八苦する親の子供に関する煩悩は、結局、苦楽を超越した親の生きがいとなり、親バカの極致につながるのかもしれない。樋口清之さ