散歩道<794>           

                           散歩道・面白い話・大集合(332)・1567
                    
対談・堺屋太一様・山田昌弘様(3)・人口減社会は明か暗か  (1)~(4)へ続く

堺屋年功序列、終身雇用の正規社員がよくて、職場移動の激しい人は下と見るのは戦後文化の観念だろう。生産性が高い方に多くの人を移動させるのを防げているのは、国の規制、権限を維持しようとする役所だ。規制を撤廃し、生産性が上がらないものはどんどん輸入すれば生産性の高い産業にシフトできる。生産水準は低くても働きたくない人が、出てくるかもしれないが、全体の数%、精々10%ぐらい。個人の選択は大事にすべきだ・・・・・上の層を遇する政策で二極化が進む恐れはありませんか。
堺屋上の方に行く人に、つまり所得が増える人が多ければ経済は発展する。低コスト社会に移行していくこともあわせて考えるべきだ。低所得の人も恩恵を得る。規制社会の80年代まで物価は何でも高かった、格差を広げる政策を採れと言うのではない。それぞれの人が好みを実現出来るようにすることが大事だ。
山田
取り残される人が数%ですめばいいが、捨て石になる人が相当出てくる。IT化などによる新しい経済成長の下で所得格差が拡大した米国の例から、所得の構成は上が2~3割、中ぐらいが4~5割、下が2~3割になるとの予想もある。見捨てられそうになる人に希望がある生活が送れるようにすることが大事だ。
堺屋
国民はそれなりに努力すると思う、国民を信頼すべきだ、人口減社会では恒久的に労働力不足が起きるので、その気があればそれなりの収入と満足がえられる。むしろ、危険なのは平等的な発想を理由に規制がどんどん強まることだ。これが一番起こりえる破滅のシナリオだ。
山田
人間はそんなに強い人ばかりではない。フリーターも最初から努力しなかった人でもない。努力してもだめだったといわれやる気をいなくしてしまう。中流生活さえも送れないと絶望する人が増えると、社会が不安定化する。・・・・システムはどう変えるべきでしょうか。
山田リスク社会になることは確実だ。それにあわせて制度も変える必要がある。年金制度は未だに終身雇用を前提にしている。国民年金や厚生年金などに分立しているから、転職の増加など多様化したライフスタイルに対応できない。「どのようなライフスタイルだとどんな支えがえられるか」が見通せる制度に変えないといけない。'06.1.6.朝日新聞

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