散歩道<782>
散歩道・面白い話・大集合(320)・1552
新欲望論(A)、多様性こそが「合脳的」 (A)~(C)へ続く
文化を貧しくする拝金主義
1552、人間の欲望がむき出しになって社会の流れを作り出す。そのような傾向が顕著になったと感じられる昨年1年だった。ITベンチャ企業が、資金力に飽かせて旧来のメディアを買収しようとする。金で買えないものはないと豪語する企業家を前にして、倫理を説く者は無力感を募らせる。母校の学園祭に招かれて講演した際、ベンチャ-企業経営者が「大学なんか中退して起業しろよ」と煽(あお)っていたのを目撃した。アカデミズムの精神はデジタル資本主義の嵐に巻き込まれて風前の灯火(ともしび)である。アメリカのFOXテレビの報道スタイルに象徴されるような「本音」のストレートな表出が、ここ日本でも社会の諸分野にデイープ・インパクトを与えつつあるようだ。快楽の自己責任必要欲望とその充足ほど人間をかえるものはない。人間の脳の神経細胞は心臓のように常に活動し、その結合パターンは変化し続ける。神経細胞ネットワークのつなぎ変わりの基本的な方式は「強化学習」と呼ばれる。嬉しいこと(報酬)がもたらされると、脳内神経伝道物質(ドーパミン)が放出され、その前に行なっていた行動が強化される。とりわけ、A10と呼ばれる神経回路の活動は快楽をもたらし、時には依存症になるような強烈な変化を脳にもたらすことが知られている。快楽は脳を変えてしまう劇薬なのであって、その処方には十分気をつけねばならない。極端な話、ヒトを傷つけるのが楽しいという困った人がいる。社会全体に対しても果実をもたらすような方向へ自分自身の欲望を導いていく「快楽の自己責任」*1が求められるゆえんである。2006年1月5日
'05.1.4.朝日新聞、脳科学者・茂木健一郎様
散歩道<50>ITと自己責任、*1<300>自己責任*1、<574>深刻さ増す日本の貧困(1)、<575>(2)、<576>(3)、<274>稲盛様・利他の心,<368>稲盛様・利他の心・経済格差の問題、<270>梅原猛様・自利・利他の問題、<385>有名な人、<759>*4、<766>ホリエモン*4、<775>プロジェクトX・地上の星たちへ、<395>面白い文章・エンドルフイン
備考:司会をされているプロフェッシヨナルに登場される人は、人の為に何かをしたいという倫理観や使命感をもっている人がほとんどだそうだ。人間とは何か?嬉しいとは何か?冷たいとはどういうことか?、嬉しいとはどういうことか?等を考える学問を今やっているということだ。科学とは、驚きであり、恋愛とは不確実性を求めていくものである。子供の教育で一番必要なものは、成功体験を持たすこと、ほめたりすることだそうだ。('06/5.NHKTVで)