散歩道<764>
散歩道・面白い話・大集合(305)・1516
ベルリン通信・ 思考がつくる 君だけの世界(2)
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1515、クッションの片隅に痩せた男の子が座っていた。体重が軽く、姿勢が悪いので、あぐらをかいてもすぐ後ろにひっくりかえってしまう。Aさんに「ちゃんと座って話を聞きなさい」と中位sㇾると、反抗的な目でAさんをにらんだ。その子が手を挙げて、「本を書くときには最初に構成を全部決めてから書き始めるのですか」とmともな質問ンをぶつけてきた。私は喜んで、出来るだけ丁寧に答えた。所が回答が少し長引くと子供たちはざわつき始めた。読み聞かせは好きでも、ヒトの話を聞くのはそれほど得意ではないのか。それとも私の口調にも大人独特の「ためになる話の押し売り」調が紛れこんでいるのか。
わたしが答え終ると、同じ子がまた手を挙げたので、また創作についての質問だろいうと思ってあてると、「ブルース・リの妹、知っていますか」という予想外の質問が飛び出した。Aさんが「君ねぇ、話の脈絡ってものがあるでしょう」と言ってため息をついた。
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1516、現代子は映像を伴う多量の情報を浴びながら成長していく。東洋的な顔を見た瞬間、活性化されるデータの総量は何ギガバイトくらいだろう。無数のイメージをつなぎ合わせて、自分なりの世界を説明するストーリーを作ってはほぐし、作ってはほぐす「思考」という高度な技術を学ぶのは容易ではない。自分探しを避けて通れない年齢になれば悩みも深まり、国粋主義や外国人排斥思想やイスラム原理主義などわかりやすいシナリオに騙(だま)されてしまう人も多い。例え答えは出なくても、自分の頭で考えることを放棄しないで成長してほしいと、柔軟で活発な脳みそを持った小学生を見ていてつくずく思った。<検>教育、<検>外国
'18.6.17.朝日新聞、多和田 葉子氏