散歩道<763>
散歩道・面白い話・大集合(304)・1514
ベルリン通信・ 思考がつくる 君だけの世界((1)
1513、 ベルリンのクロイッベルグ地区にあるコートブッサー・トーア駅は、夜は避けたい地下鉄駅だ。酒樽を片手にプラットフオームをよろめき彷徨う(さまよ)男たちの目つきが暗すぎる。麻薬の売買も頻繁におこなわれている。昌ッ校を訪問することになった。招待してくれたのは元教員のAさんで、小学生たちがベルリンに素ぬ社会人、特にドイツ社会で自分の場所を見つけた外国人と対話する機会を作る活動をしている。
ベルリンはます舞う最近住みわけが進み、この小学校にはドイツ人の子供がいなくなってしまったそうだ。その結果、子供達はベルリンに住みながら接触できるドイツ人は担当の先生だけという環境におかれている。ちなみにかれらのほとんどはドイツで暮し始めて三世代以上たっていて、ドイツ語が不自由なわけではない。案内された小学校の図書室。四府の壁が本棚で、中心にはカラフルな椅子や巨大なエアークッションが置かれていて楽しい雰囲気だった。
10歳くらいな子供たちが20人ほど集まってきた。「トルコ語を話せる人、手を挙げて下さい」と言ってみると、数人を除いてほとんどの子供が手を挙げた。「アラビア語を話せる人は」と訊くと、のこりの数人が手を挙げた。つまり禅院バイリンガルなのだ。
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1514、 私はドイツ語で書いた詩と短いエッセイを朗読した。朗読を聞くのは苦手かなと思ったが、どうやらこどもというものはどの国でも、読み聞かせが好きらしく、じっと耳をすまして聴いている。
Aさんが「質問ありますかと訊くと、クッションの真ん中に堂々とあぐらをかいて座っていた女の子が手を上げて、「北朝鮮にいったことありますか」と言った。朗読の内容とは無関係だったが、わたしの真をを見て東アジアに思いをはせた結果、まず「浮かんだ問いなのだろう。まだ十才なのに、さすが国際社会の紛争の真っ只中で生きるベルリンの子だと思った。
北朝鮮にいったこと画ないが韓国側からこっきょうの近く迄行ったことはある、とっ答えるとその少女は真剣な顔で「その国境を警備している兵隊ですけれど、あれはナチスの兵隊ですか」と訊いた。Aさんあきれて【気にねえ時代が違うでしょう」と口を挾んだ。たしかに時代もちりもあたまの中で混乱しているが、自分の力で世界史と現代のつながりを理解しようとしている。<検>教育、<検>外国、
'18.6.17.朝日新聞、多和田 葉子氏