散歩道<747>
散歩道・面白い話大集合(291)・1479 6424
論壇時評・観光客と留学生(2)・「安くておいしい国」の限界
1478、このことは、日本人の1人当たりGDPが、95年の世界3位から17年の25位まで落ちたこととと関連している。「安くておいしい国」は、千客万来で忙しいだろうが、利益や賃金はあまり上がらない。観光客や消費者には天国かもしれないが、労働者にとっては地獄だろう。
元経済産業省官僚の古賀茂明はこう述べる。「日本には、20代、30代で高度な知識・能力を有する若者が,高賃金で働く職場が無い。稼げないから、食べ物も安くなるのだろう」。古賀は米国で経営学修士を取って企業した若者のこんな声を紹介する。「日本に帰る理由を考えたけれど、一つもなかった。強いてあげれば、そこそこおいしいご飯がタダ同然で食べられることかな。アメリカだと、日本の何倍もするからね」
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1479、 一方で日本では、観光客だけでなく留学生も増えた・12年度の約16万人が17年度には27万人だ。もっとも世界全体でも00年の約210万人が14年の約500万人に伸びてはいるが。これまた日本の増え方には特徴がある。
福岡日本語学校長の永田大樹はいう。「世界で活躍するには」英語圏で、日本語取得は難しい。それでも留学生が集まるのは、『働ける国』だからだ」。日本では就労ビザの無い留学生でも週に28時間まで働ける。だが米国では留学生は就労禁止だ。独仏や欧州、韓国は留学生でも就労して生活費の足しにできるが、日本より就労時間制限が厳しい。その為「日本に来る留学生の層は、おのずと途上国からの『苦学生』が多くなる」という。 <検>社説・論評、<検>世相、
’18.5.31.朝日新聞・歴史社会学者 小熊 英二氏