散歩道<745>
散歩道・面白い話大集合(289)・1475
面白い話(82)・ボス・じょさいない・おあいそ、
1473. アメリカの工事現場の親方「ボス」
人種のるつぼといわれるアメリカ、建国以来各国からの移民を大々的に受け入れた結果だが、18世紀頃は、建国途上の建築ブームでにぎわっていた。建築現場も色々な人種が入り乱れていたが、ここに働くオランダ移民たちは、工事請負の親方を「パス(pass)」と呼んでいた。これが他の国の移民にも使われるようになり、「ボス」と発音され始めたという。この「ボス」が、一般に広まったのは、19世紀後半さんざん政治干渉して悪評高かったニューヨークの、ある政治結社の面々をこう呼んだときからであるという。日本では、建築ブームも一段落し、ボス政治にも変革が起こっているようだ。樋口清之様
1474. いい意味にも悪い意味にも取れる「如才ない」(じょさい)
「あいつは如才ないヤツだ」などというとき、気の利く人といった意味の裏に、抜け目なくたちまわるお調子者といったニューアンスを感じないではない。が、もともとの意味からすると、たいへんなほめ言葉である。「如才」というのは当て字で、本来は「如在」と書き、論語から出た語である。ところで、「存在」から出た「ぞんざい」が、”物事をいい加減にする”という意味に使われるのと同じように「在イマすが如ゴトし」という尊敬の意を、日本で逆に誤用して「如在」となり、「おろそか」「疎略」の意味になった。とすれば「如在ない」は如在の否定なのだから、”おろそかにしない””ていねいに扱う”という意味になるのである。樋口清之様
1475. 通ぶっていても、主客転倒「おあいそ」
すし屋などで客が帰り際に「おあいそは?」などと入って勘定を要求してくる場面によくでくわす。本人は通ぶっているのかもしれないが、もとの意味からすると、ちょっと滑稽に見える。「愛想づかしをする」とは歌舞伎によく出る場面で、女が本心を隠して男と縁を切ることを言う。そこで、店などで店主側が、「愛想づかしなことでございますが」といって勘定書を出すようになった。それが女言葉の「おあいそ」となり、それだけで勘定を意味する言葉になったという説がある。そうだとすると、男の客が「おあいそ」というのは、本人の意図に反して主客・男女転倒の迷場面ということになりかねない。