散歩道<7006>

                        社説・月着陸50年(5)・ 宇宙利用に新たなルールを

  個別交渉積み上げて

 動きがないわけではない。
 たとえば、使命を終えた人工衛生やロケットの破片など宇宙空間を漂うゴミ(デブリ)の発生を抑える指針が、07年に国連宇宙空間平和利用委員会(GOPUOS)で採択された。
 資源開発をめぐっても、有志国や宇宙機関、学者、企業でつくる「ハーグ宇宙資源ガバナンスワーキンググループ」が国際ルールの草案を2年前に発表した。企業に資源の採集権を認つつ、利潤は「すべて国の利益」に資する形で分配するという内容となっている。
 前者は法的拘束力はなく、後者も大まかな原則をしめすにとどまるもので、限界はある。それでも国際交渉の場で包括的な合意を形成するむずかしさを考えれば、個別分野ですこしずつ実績を積み上げていくしかない。地道な営みを通じて、宇宙は公のものだという認識が深まれば、兵器配置などの行為にも歯止めがかかる。そう期待したい。
<検>世界、<検>科学

'19.7.29朝日新聞