散歩道<6925>
経済気象台(912)・円高恐怖症
このところ外国為替相場が静かだ。東京市場では最近2ヶ月ほど、1ドル110~110ドル台で推移している。振れの激しいドル円相場で、値幅2円というのは異例の狭さだ。米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱問題、世界の景気悪化など、いずれも先が読めず、市場は膠着(こうちゃく )状態だ。市場は嵐の前の静けさでなければよいが。
こう書くと、読者の多くは円高のことを嵐と受け止めるだろう。しかし、1ドル=100円ぐらいの円高であれば嵐といえない。
経済が発展するとサービス化が進み、製造業のウエートは小さくなる。日本の2017年の国内総生産GDPを見ると、製造業の比率はすでに20%程度まで縮小。輸出でも受けていた1970~80年代から経済構造は大きく変わった。
輸出産業の多くは現地生産の拡大で円高に耐え得る体質になり、逆に、円高で輸入物価が下がると収益改善につながる企業が増えている。今や日本経済全体で見た均衡為替レートは1ドル=100円程度。為替相場はそれくらいの円高水準の方が、むしろ日本経済にとっては望ましい。
「円高は悪」という単線的な恐怖症は時代遅れだ。先に述べたようなリスク要因で円高に振れることがあるかもしれないが、均衡為替レートから大きくはずれるほどの円高でない限り、景気後退にはならない。
市場では、円高になるとすぐに日本銀行に追加緩和を要求する声が出てくる。それは日経平均株価の6割が製造業で構成され、実際の経済に比べて円高に弱いからだ。異次元緩和の副作用は限界に近ずいている。日銀は客観的な事実を踏まえた上で、冷静に対応してほしい。 <検>統計、<検>IT
'19.4.13.朝日新聞
備考:為替レートについても、世の中の変化とともに代わのも時代の流れと受け取るべきかも!
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