散歩道<6923>
                                         経済気象台(910)・農村固有の魅力を世界へ 
 

 北海道のオホーツク地方は、いくつもの1級河川が流れ込むオホーツク海に面している。上流の森林地帯、中流の丘陵農業地帯、そして大小多数の湖沼群と豊かな海が広がるいくつもの下流う域によって形成される、世界敵にも固有の自然風土がある。
そうしたオホーツク地方の上流のある町で畑作農業を営む若手農業者と話をした。大規模な家族農業経営で、加えて農家民宿や古い農家中立悪を監修したコ-テージも経営する。客は海外からも口コミで訪れる。「先日はアメリカの企業からメールで、研修がしたいと予約が入りましたよ」と彼は話した。
 日本農業はメガFTA時代を迎え、グローバル化はますます進展している。TPP11,日EUのEPAは北海道の農業にも大きな影響をもたらすだろう。政策的には世界市場で戦うための競争力を付ける事。そのために規模拡大をして企業的な経営に転換することが目指されている。その方向を目指すなら、丘陵で沼地も多いオホーツクの自然風土は克服すべき対象となる。
 だが、農業・農村のグローバル化への対応は、そうした生産のために農村空間を変える事ではなく、その土地の風土と農業の営みが憂い出す価値を追求し、生産だけではない空間として、北海道、さらには世界のどこにもない農村を編み上げていく事にあるのではないか。そうした固有の価値が世界に発信されることで、農村は世界とつながっていく。小さな町のある農家が、あった事もない米国の企業とつながったように。
 それは競争ではない。それぞれの農村がもつ固有の風土を生かし、生産だけでなく、多様な魅力を提供できることこそがグローバル化である。
 <検>環境、<検>IT

'19.3.6.朝日新聞