散歩道<6919>
経済気象台(907)・立ち直るギリシャ
ギリシャといえば2004年のアテネ五輪以降は悪いニュースばかりだった。世界の金融市場でも、毎年のように経済破綻(はたん)がリスクファクターと指摘され続けてきた。そのギリシャ経済が人知れず順調に回復しているようだ。
経済危機に陥ったギリシャは欧州連合(EU)から緊縮財政を求められ、そこに反発する民衆を背景に、15年の総選挙でポピリストの急進左翼進歩連合が政権を獲得した。しかし同政権のチプラス首相は、少しづつ政策を穏健な方向に修正し、今ではその政治手腕が専門家から高く評価されている。
その後ギリシャは緊縮財政を進め、GDPに対する公的債務比率を低下させた。その一方で、EUからは金融支援を受けて経済と金融市場は安定し、今年の経済成長率は2%台と低迷するEUの平均を上回ると予想されている。そうは言っても、まだまだ公的債務比率そのものは高水準で失業率も高く、国民の生活は苦しい。
しかし、このギリシャの例はいろいろな教訓を与えてくれる。たとえば政治の在り方。近年世界のあちこちで急進的な主張を持つポピリスト
政党が、政権を獲得叉はそれに近づいている。そういう政権がこれから何をするのかという不安も高まっている。だが、急進的な政権も、経済破綻を回避するために国民の支持をつなぎとめながら、穏健になり得ることをギリシャの例は示している。それができなければ、ベネズエラのように文字通りの経済破綻に陥るだろう。
経済危機からの立ち直りはは不可能ではないという証拠にもなる。しかし、それには緊縮財政や構造改革の長い努力と時間が必要となる。これは将来の日本にとって、重要な教訓になるだろう。<検>経気台、<検>外国
'19.2.19. .朝日新聞
備考:ギリシャのようにならないための早急な対策を日本は考えておくべきと思う。