散歩道<6918>
            
                          経済気象台(906)・人間尊重の経営を
 

 企業経営で成果主義がもてはやされるようになって久しい。新自由主義の流れなのだろうか、年功序列や終身雇用制度が悪であるという考えが背景にあるように思える。しかし、日本式経営は悪いと言い切れるのだろうか。
 私の経営する中小企業は、年功序列の賃金を基本にしている。終身雇用を維持。定年後に再雇用した80歳近い社員も3人いる。
 一例を挙げれば、この人たちが若者に技能を伝授している。若者は教えてもらった技能を生かして、製造過程のロボット化や自動化に取り組んでいる。新たな生産技術を生み出すサイクルが出来上がっており、若者は目を輝かせながら成長している。これが「人間成長の経営」という旗印を掲げる弊社のつよみになっている。
 こうした経営について話を聞かせてほしいといお言われることがままある。年明け、中國・上海で中小企業の経営者約150人に講演する機会があった。現地で話を聞くと、中國では金儲けに徹する経営者が多いらしい。グローバル競争を勝ち抜く為に低賃金で従業員を雇い、不況になるとさっぱり解雇する、という具合である。
 浮き沈みの激しい経営をしていたのでは会社が持続しない。社員が安心して働くことも出来ない。だから、体質の強い経営には繋がらない。そう話すと、参加者は口々に「日本式の人間尊重の経営を取り入れたい」とはなしていた。
 一人一人の社員が能力を樹分に発揮してこそ、会社は発展する。経営者は社員の力を引き出すことに腐心しなければならない。雇用や報酬の仕組みは、その前提である。目先の利益を追い求めるのではなく、人間尊重の経営こそ求められていると確信した次第である。
<検>経気台
'19.1.25. .朝日新聞

備考:企業の経営は全て人で決まるという事だろう