散歩道<6916>            
                         経済気象台(904)・官庁エコノミストの本分

 先月、恒例の政府経済見通しが閣議了解された。来年度も、名目2.4%、実質1.3%の高い成長率を見込んでいる
 だが前提となる2018年度の成長率は、1年前の見通しに比べ、大幅に下方収支されている。修正幅は名目1.6%、実質0.9%に及ぶ。
第2次安倍政権の発足後の6年間でみても、多くの年がかなりの下振れだ。もはやだれもが、期待先行の楽観的な見通しであることを疑わない。
 しかし、それでは困る。政府の見通しは財政運営や経済政策の基礎となるからだ。
 実際甘い見通しに基づいて策定された財政再建目標は、昨年夏、5年も先送りされた。「20年度ごろに名目GDP600兆円」との政府目標も、現時点では達成は危うい。
 見通しの策定に当たる官庁エコノミストは、責任をどう感じているのだろうか。
 官庁の専門家の役割は、客観的な分析と試算を通じ、政府や国会に政策判断の材料を提供することにある。政府の意向に合わせるばかりでは多くの専門家はいらない。政治的な意向が入り込む余地を狭める工夫と努力が必要だ。
 まずは、見通し策定に利用した原データーと前提をすべて公開し、翌年、実績との乖離
(かい)を分析して改善策を公表することだ。毎年繰り返していけば、恣意的(しい)な数字は難しくなるだろう、。
あわせて、国会の下に独立財政機関を設けることが重要だ。国会全体が責任を持って将来世代への務めを論じるには、中立的な財政見通しがかかせない。
 官庁エコノミストには、テクノクラート’(専門知識を持つ官僚)として、その本文を尽くすことを期待したい。
<検>経気台
'19.1.11. .朝日新聞

備考:将来が見通せ難いこの時代こそ、政府は色々な角度から見通しなり、対応を国民に知らせて頂きたい。