散歩道<6907>
文芸時評・「文学」の働き(3)・・橋をかける 世界と私に
この人が二つの言語に橋渡しをする<翻譯>の実践者であることにも注目したい。そして彼女が選・訳した『THE MAGIC POKET』(文芸春秋)の著者は、「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」などで知られる詩人まど・みちおである」。
この詩人の詩的世界に触れたい物にとって、谷川俊太郎変『まど・みちお詩集』(岩波文庫)は最良のガイドだが、104歳で没した詩人の晩年の言葉を集めた『どんな小さなものでもみつめていると宇宙に繋がっている」(新潮社)も素晴らしい。
「私の詩は、『今日はこのように生きました』っちゅう/自然や宇宙にあてた報告なんだと思います』
ああこの人もまたずっと橋をかけてきたのだ。まどの場合、その橋がつねに、どこにでもある。ありふれた小さなモノたちに支えられているのがたまらなくステキだ。
詩は何処から生まれるのか?「かけがえのない自分自身がものをいう感じです」。ではだれに向かって?
「自分を自分にしてくださっているものに向かって」
書くとは、<私>が心から感じる<不思議><驚き>の<実感>からしか生まれない。だが書くことは<私>を<他なるもの>へ開き、宇宙の万物と繋がる取り換えのきかぬ存在として「ここに いる」という感触を取り戻せる。だから、まどの詩を読むとき、僕たちは<あこがれ>や<なつかしさ>に満たされるのだ。
<検>教養、<検>面白い文章、
'19.5.29.朝日新聞・作家・小野 正嗣氏
備考:私はこの話に共鳴できる
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