散歩道<6879>
                                    オピニオン・ 迷走の英国・どこへ(6)


 欧州連合からの離脱期限となる3月29日を前に、英国が混迷の度合いを深めている。何がこの事態を招き、英国はどこへ向かうのか。反EUの背景にある移民や労働市場開放の問題は、日本の将来とも無関 係ではないと、英社会学者で欧州社会論の第一人者であるエイドリアン・ファベル氏は指摘する。来日を機に聞いた。

  EU離脱しても さけられぬ移民 日本と似た立場
 

 ■   ■
      
・・・・・さまざまな問題を怪傑するための理念として掲げられたのが、欧州統合ではなかったでしょうか。
 「カギとなったのは1989年の「ベルリンの壁崩壊」です。冷戦が終わり、東西に分かれていた欧州の歴史的なと宇gぷが字t源しました。これは理想主義者にとって極めて需要で象徴的な出来事になりました。ユルゲン・ハーバーマス氏、故ウルリッヒ・ベックしといったドイツの思想家たちはこれを機に、ある種の「欧州アイデンティティーと呼ぶべきもが生まれる可能性にかけました。欧州は、共通の理想を抱く市民ンが集まる場となる、と考えたのです」
 「もちろん、そのような市民画いなかったわけではありません。ただ、ハーバーマス氏の理論ンは、コミュニケーシヨンが理想的に成立して初めて有効です。公共の場で知識を披露し、議論がなされ、論争が盛り上がり、専門家の意見を参考にし、最後にもっとも適切な解決法にいたる。ただ、それは特定の条件下でしかおきません」
 『みんながテレビで々番組を見ていた1950年代とか60年代とかなら、これが可能だったかもしれません。ただ、ソーシアルメディアが発達し、人々が小さな集まりをあちこちでつくって話し合う現代では、そのような議論を交わす公共空間自体が存在しないのです。この状況で欧州各国を欧州連邦として一つの国家にまとめるのは、現実的ではありません」  
<検>外国、<検>政治

'19.2.14.朝日新聞・英リーズ大学教授・エイドリアン・ファベル氏