散歩道<6874>
                                    オピニオン・ 迷走の英国・どこへ(1)


 欧州連合からの離脱期限となる3月29日を前に、英国が混迷の度合いを深めている。何がこの事態を招き、英国はどこへ向かうのか。反EUの背景にある移民や労働市場開放の問題は、日本の将来とも無関 係ではないと、英社会学者で欧州社会論の第一人者であるエイドリアン・ファベル氏は指摘する。来日を機に聞いた。

 多文化主義の理想 今や誰も口にせず 崩壊した国際感覚
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英国のEU離脱期限が刻々と迫ってますが、英政界は意見が複雑に別れています。EUとの合意がないまま離脱して世界経済が混乱する恐れもぬぐえません何が、このような事態を招いたのでしょうか。
 「理由は様々ですが、開かれたグローバル国家英国に備わっていたはずの多様性や国際感覚が崩壊したのは、憂慮すべきことです」
「英国では2000年代、ブレア労働党政権の下で、多文化主義に向けて社会が動き出すべきだ、とする意識が強まりました。「多民族国家」こそが英国の将来像だと位置づけられたのです。当時の進歩的知識人たちは、英国がもはや固有のアイデンティテーを有する国家というより、外部の個性も上入れて共存する米国的な存在になるべきだと考えました」 
<検>外国、<検>政治

'19.2.14.朝日新聞・英リーズ大学教授・エイドリアン・ファベル氏