散歩道<6873>

                            日曜日に想う・未来になるスイッチ(4)

  最後に未来の自分から今の自分に「はがき」を書いた。今と未来の自分を見比べているもう一人の自分に気づく。
 「あの体験のあと、足元以外にも目を向けるようになりました」
 西村教授によると、未来人になると現在への執着が」減り、考えが具体的に」なる傾向がみられるという。「今と未来の自分と社会」を俯瞰
(ふかん)して考えると、具体的で建設的な提案を出しやすくなるのでは」。同じ信大チームの井上信弘教授は「考え方が自由で自発的にもなる。うんと未来に飛ぶことで経験不足などを気にしなくなるようです」と指摘する。
 FDの動きは始まってまだ5年たらず。考案者である高知工科大学の西條辰義教授らを中心に各地で試行と改善が続いている。すでに解決策の手掛かりを得た自治体も出ている。中央省庁の官僚や企業経営者も関心を向ける。
 自分の社会の何が問題化。広い視野で考えるにはその外に出てみるのが効果的だ。空間的には外国に身を移せば可能だけれど、時間的には難しかった。だが、FDならそれが実現できそうだ。
<検>時間、<検>日曜に想う、

'19.4.7.朝日新聞・編集委員・大野博人氏