散歩道<6853>

                        異論のススメ・平成の終わりに思う(1)・にぎやかさの裏 漂う不安

 私がこのコラムを始めたのは平成27年の4月であった。もともと1,2年のつもりで引き受けたのだが、少し伸びて4年たち、平成も終わりつつある。これを機に、毎月の連載にはひと区切りつけたい。
 仮に、今日の思想や政治的立場を大きく「進歩派」と「保守派」にわければ、私は自分自身を「保守」の側に位置図けてきた。そして、4年前に本紙オピニオン面の編集部はそれを承知で、「むしろ積極的に保守的な立場で書いてもらいたい」と依頼してきた。「異論のススメ」というタイトルも、「保守派」の代表しである朝日に「保守的な構え」で書くという意味合いである。
 それから4年たって、もはや「保守」か「進歩」という対立がほとんど無効になってしまうような大きな波に我々は飲み込まれつつあるように思われる。<検>政治、<検>世相、

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19.3.1.朝日新聞・佐伯 啓思氏