散歩道<6825>

                              社説・日本経済のこれから(5)

   格差や独占を超えて

 
 不平等や独占の拡大は、社会の不安定化や技術革新の阻害を通じ、中長期的には経済成長への逆風になりうる。社会の在り方として、中國は勿論、米国型の負の側面も漫然と受け入れがたい。一部の海外企業をいたずらに問題しするのではなく、日本社会が何を今日できないのかを具体的に議論し、合意形成をしていくべきだろう。
 欧米で格差拡大やデーターの独占に歯止めをかけようとする動きは広がっている。中国社会や途上国にも不満は潜在する。より良い社会の実現へ、連携協力する余地は有るはずだ。
 市場が生み出す技術革新や効率化の果実を成就しつつ、景気を安定させて失業を減らし、社会保障と再分配を強化する。市場が十分に果たせない教育や基礎研究を充実させ、インフラを保つ。強者が不当な利益をむさぼることのないよう、公正な競争のためのルールを整える。
 当たり前のことばかりだが、社会の中でその必要性を常に確認し、共有していかなければ荒波が強まる世界経済の中では足元を掘り崩されかねない。
 経済を外に開くからこそ、どんな社会をつくるかという構想力が一段と求められている。
<検>社説、<検>世界

2019.1.4.朝日新聞