散歩道<6781>
                                
                                   社説・先生の働き方(2)・子供のためにも改革を

  仕事の範囲が野放図に広がらぬよう、歯止めとなる制度を設けなくてはいけない。先般成立した働き方改革関連法で、企業の残業時間は月45時間以内とされた。学校でもこれを原則とし、その前提で仕事をどう回すかを考えるようにすべきだ。
 教師にだけ適用される時間外労働に関する法律も見直す時期にきている。本来の給与月額に4%分上乗せするかわりに、残業代は一切支給しないのが現在の決まりだ。残業が週2時間ほどだった半世紀の規定で、実態とかけ離れている。文部科学省の試算では、働いた時間どおりに手当を支給すると総額は年9千億円に達するという。膨大なただ働きを現に強いていることを社会全体で認識し、その解消に本気で取り組むことが求められる。
 残業はこれまで「自発的なもの」とみなされてきた。だが過労で倒れた教員に対し、「個別の指示がなくても、包括的な職務命令に基づく残業と言える」として公務災害を認めた例もある。引受けた業務に見合う報酬を支給する制度を検討してはどうか。教員の仕事量と労働時間を校長や教育委員が適切に管理する意識を持てば、残業の抑制にもつながるだろ。
 教員採用試験の受験者は近年減少気味だ。学校が「ブラック職場」のままでは、若者の教員場馴れはさらに進む、しわ寄せを受けるのは、ほかでもない、未来を担う子供たちである。
<検>教育

 '18.11.30.朝日新聞