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日本は経済格差社会か(3) (1)~(3)へ続く
拡大の主要因は高齢化揃えたい人生の起点
「ホリエモン」に代表されるヒルズ族などの高所得者が生まれたのも、規制緩和が要因というよりも、技術革新が原因だろう。金融やIT(情報技術)産業が技術革新によって一人勝ちを生みやすい構造に成ったのではないか。内閣府が指摘するように、フリーターやニートの増加など若年層の変化は、将来の所得拡大の可能性をはらんでおり、注意が必要だ。1度フリーターになると正社員になりにくく、景気が回復しても格差が固定化する恐れがある。また、21世紀に入って若年層で学歴間の賃金格差傾向にあるのも気にかかる。技術革新で高学歴者に仕事が集中する、経済のグローバル化で企業が海外未熟練労働者を求めるといった構造的な変化と捕らえれば、格差がさらに拡大する可能性がある。これからの低成長・少子高齢化の時代は、親から移転を受ける遺産が子供の所得に占める割合が高まってくる。だからこそ、税や社会保障を通じた所得の再分配が重要になってくる。まず、スタート地点が違う人が多いことを私達が認識するとともに、政府は相続税率の引き上げをはじめ、スタート地点をそろえる努力が必要ではないか。同時に親の所得に関係なく、高い生涯所得を獲得できる機会を得られる環境を整える公教育の充実が重要になる。一度社会に出てうまくいかない人をどうやって再教育するかも大切だろう。<検>社説
'06.2.10. 朝日新聞 大阪大学教授・大竹文雄様