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靖国問題・大切な被害者感情の重視(2)
靖国問題における最大のポイントは、中国側の被害者感情をも年頭に置いた日本側の対応が求められることである。その意味で、中国侵略の責任があるA級戦犯を祀る靖国神社問題は国際問題とならざるを得ない。日本の政治家らがこれを国内問題として解決しようと努めている姿勢は、実は中国人の被害者感情を無視した行動と言え、現在のグローバル社会にそぐわないものである。日本は「日中講和条約」の終結を可能にする条件づくりとして、中国側の被害者感情の慰謝を可能にする施策を構築し、それを具体的に裏づける賠償問題を明確にした上で、中国側の合意を得る努力をすることが必要である。中国側にも意識してほしいことがある。それは、この問題を巡る中国政府の猛烈な抗議及び日本批判によって、日本国民に反中意識が生まれていることである。経済的に中国が圧倒的に上がり調子である一方で、日本は衰退しつつあるという状況の中で、中国の力が日本側に威圧として受け取られるような言動は控えたほうが将来的に得策であろう*1。例えば、中国企業が日本企業を大々的に買収する時代が早晩到来するが、そのとき、日本人の大勢が反中感情を抱いていると、買収が順調に成功するとは思えないからである。中国はアジアにおける存在感を高め、着実にアジア各国に対する影響力を増している。靖国問題という象徴テーマがある限り、日本が中国のみならず、中国の意向に配慮せざるを得ないアジア諸国に結局は受け入れられなくなる恐れがあることを、日本の指導者達は自覚すべきだろう。
'06.2.16. 朝日新聞 わたしの視点・弁護士・高井伸夫様
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備考:*1、この文章の将来予測は淋しい限りだ。