散歩道<6604>
                       インタビユー・2030年未来予想図(2)                         

20世紀以降、米英、米ソ、米中と2大国が世界情勢を左右してきた。1方で、市場のグローバル化に伴い、国家の力は弱くなっている。保護主義が台頭し、北朝鮮の非核化が焦点となる中、日本や欧州は両大国とどうかかわるべきか。数々の予言を的中させて北ジャック・アタリさんに、2030年の未来予想図を聞いた。

国家飲み込む市場 「私が一番」の米中 友好国も容赦せず

 ・・・・なぜ、そんな状況に 
 もっちも憂慮すべきは、最近の米国の関税攻勢に見られるような保護主義です。現政府は極端に走りがちの気が借りです。たとえば、赤字の発生源だからと日本車の輸入事態を禁じるような
・・・・保護主義がいきすぎると、世界経済は破局へいたります。中国は歯車が破局へ自転しないよう、懸命な対応をしていると思います。日本と欧州は、共通の危機にさらされていると指定しておきます」
 
・・・どんな危機ですか。
 「米中の大国に加え、ロシアやインドなど近嫌いの大国は、友好国にすら容赦しなくなります。日本と欧州は、資本や高い技術を持ちながらも、守勢に立たされがちです。企業買収や技術移転などを通じ、悪い表現ですが「生き血を吸われる」危険がある。それを防ぐには、以前よりも多様化した同盟関係を結ぶ必要があります」
 「現代の市場が『ミー・ファースト』(私が一番)の原理で動いていることに、この傾向は起因しています。市場は、本来なら『お客様が一番』のはずですが、実態は逆になっています。競争や宣伝で『私が一番』を唱えるありようは、ポピュリズムの原理と通底します。地球規模で利己主義と利他主義、つまり『自分の為に』と『他人の幸せのために」という価値観がせめぎ合っています」
 
・・・英国が欧州連合(EU)から離脱を決めた際、「一国ならよくなる。まずは自国から」「昔は良かった」という考え方は短絡的に誤っていると批判しました。「ミー・ファーストにも通じる考え方ですが、根底には『未来を恐れる』心情があります。米国も日本も同じ傾向にあります。だれでも昔は若かったし、時間もあった、でも懐古的で内向きな心情に浸る傾向は、望ましくありません」<検>社説、<検>政治、<検>外国、

'18.8.25.朝日新聞
   経済学者・思想家・ジャック・アタリさん