散歩道<6564>

                                    社説・原爆の記憶継承(1)・ 若い世代の新たな挑戦

広島と長崎の被爆者は、平均年齢が82歳を超えた。
原爆を巡る記憶はいや央なく遠のいていく。今春、プロ野球の広島東洋カープにタイセンチームの応援席から「原爆落ちろ」とヤジがとんだ。ながさきでは、就学旅行中の中学生が語り部の被爆者に「死に損ない」と暴言を浴びせた事もある。がっこうでの平和学習は、教育の政治的中立を強調する声の高まりで忌避の風潮が広がり、被爆地さえ「後退」が指摘されて久しい。
 唯一の戦争被爆地として「核兵器の無いう世界」の実現を訴える日本には、広島・長崎の体験と記憶を継承する責任がある。
 広がる無関心と無理解、圧力と委縮にどう抗していくか。
 長崎出身で、原爆体験した母親から話を聞いてきたノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロ氏(63)は「実際に生きぬいた人と相、フェース・トゥ・フェースで繋がる』大切さを言い、「体験が『歴史』に成り始めたとき、違う方法で語らねばならない」と説く。
 核兵器禁止条約の国連での採択に貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は、世界各地の460余のNGOからなる。30代が中心の若い世代が、縁もゆかりもなかった広島や長崎の被爆者に向き合い、人権にゃ環境の保護、開発支援などそれぞれに取り組んできた課題と重ねあわせ、暮らしを脅かす「非人道性」に矛先を向けた。

<検>戦争、<検>環境、<6553>原爆投下から73年 

 社説 '18..8.9.朝日新聞