散歩道<6556>

                                 原爆投下から73年(4) 核廃絶へ市民の連携を

 
意義深い核禁条約

  ところが、日本政府は今も条約を拒絶している。理解しがたい。「核の傘」の下にあっても条約の趣旨に賛同するなど、前向きな姿勢は閉めするはずだ。
 昨年長崎での式典後、安倍首相に対し被爆者団体の代表は「あなたはどこの国の総理ですか」と詰め寄った。世界の人々に届いた被爆者の声に、日本政府はなぜ耳を傾けないのか。
 やけどの背中の写真を手に各国で核廃絶を訴えた谷口稜曄
(すみてる)さん、そして運動を理論的に支えた長崎学長の土山秀夫さんがともに昨年、世を去った。
 「被爆者が居なくなる時代」は確実に近ずいている。

 被爆者の思いを継承を

 
今を生きる市民が、被爆の記憶と核廃絶のへの思いを継承し、行動せねばならない。核禁条約は、世界のさまざまな団体、個人らが緩やかに結束して進めてきた。まとめや役としてノーベル平和賞を受けたNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は今年、長崎で強調した。「政府ではなく、日本の人々にかかっている」
 「核なき世界」は、もはや核大国や政府だけに託す願いであってはなるまい。一人ひとりが世界を観察し、つながりあい、身近な政治を動かしていく。小さな行動の積み上げの先にこそ、核廃絶の希望が生まれる。
<検>社説、<検>戦争  ’18.8.6.朝日新聞