散歩道<6553>

                                    原爆投下から73年(1) 核廃絶へ市民の連携を

 米国全域が射程圏にあり、核のボタンが机の上にある」「私の方がずっと強力だ。こちらのボタンは確実に作動する」
 背筋の凍る欧州った。北朝鮮と米国の対立とともに迎えた2018年は、核時代の危うさを世界に知らしめた。
 両国の首脳はその後、握手の初対面を演じたが、非核化への具体的な進展はまだ見えない。不確実さを増す国際政治に核のボタンが預けられていう現実をどうすればいいのか。
 広島に原爆が投下されて、今日で73年になる。筆舌に尽くしがたいい惨禍を繰り返してはならぬと誓った被爆者らの願いは、まだ約束されないままだ。
 オバマ大統領が広島を訪れたのは、つい2年前。その米国の政権交代で、核の廃絶を目指す風景は一変したかのようだ。
 ただ、希望の光もある。昨年からの核兵器禁止条約の動きである。古い国家の論理にたいこうして、国境を超えた人間の力を束ねて変化を目指す潮流だ。
 「人道」という人類共通の価値観を信じて行動する市民のネットワークが、今年もあと日本で根を張り続ける。その発想と連帯をもっと育てたい。
 核を巡る風景を変える道はそこの開けるのではないか。

 
<検>社説、<検>戦争                 ’18.8.6.朝日新聞