散歩道<6552>
高校野球・100回(2) ・ 無数の支えと励ましと
優勝した広陵高校の森悠祐投手は大会前、「野球をやっている場合じゃない」という戸惑いもあった。安芸南校の田代統惟主将の選手宣誓を聞いて、気持ちを切り替えたたという。
「どんな状況も克服し、それを乗り越えて挑戦します。それが野球だから」「家族、指導者、チームメート、私たちを支えてくれたすべての人々への感謝を胸に、がむしゃらにプレーすることを誓います」
田代主将も濁流にのまれた地元の光景に衝撃を受けた。それでも何が出来るかを考え、土砂の撤去に汗を流し、中学時代の同級生が行方不明だと知って捜索に加わった。
自宅が土石流に襲われ、チームメートから野球道具を借りてベンチ入りした選手。グランドが水浸しになり、他校の協力で練習できたチーム・・・。
選手の仲間や家族、高校の関係者だけではない。被災し、復旧作業に追われる地元の人たちが「応援しているよ」と球児に声を掛け、その背中を押した。
23年前に阪神・淡路大震災が起きた都市の夏は「はばたけ阪神淡路」、七年前の東日本大震災では「がんばろう!日本」。こんな横断幕や合言葉とともに、球児は懸命に白球を追った。その姿に被災した人は励まされ、寄付などで被災地を支援した大勢の人達も拍手を送った。
一世紀を超える歴史を支えた無数の人々に感謝し、未来へつなぐ大会が始まる。<検>スポーツ
'18.8.5.朝日新聞
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