散歩道<6548>
                   インタビユー 地球環境 限界なのか(5)・

 
西日本が死者200人を豪雨に見舞われたのに続き、「災害級」の猛暑が日本列島を襲う。人間の活動によって、地球環境は限界を超えつつあるのか。持続可能な開発目標SDGSの基礎になった枠組み「プラアネタリー・バウンダリー(地球の限界)」。その研究を主導したヨハン・ロックストロームさんに聞いた

 生地系が吸収せずCO2濃度急上昇回復喪失の合図

・・・・7月に日本語版が出版された「小さな地球の大きな世界~プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発~」は、地球システムは回復力が高く元の状態にとどまろうとするが、転換点を超えると回復不可能で予期しないことが起きると書いています。地球は限界を超えたのでしょうか。
 『私たちが化石燃料から脱却することはもちろん必要ですが、それ以上に重要なのは、地球の陸地や海洋の自然生態系が、いまの均衡状態を保とうとする回復力を失わないようにすることです。そのための土台となるのがプラアネタリー・バウンダリーの枠組みで、中核が気候システムと生物多様性です」
 「地球の回復力には亀裂が生じています。それを示す出来事が最近ありました。2015年と16年、増え続けてきた世界の二酸化炭素(CO
)排出に歯止めがかかりました。大気中のCO2濃度の上昇にもブレーキがかかると思ったら急上昇したのです。人間がCO2輩出を削減したのに、森林や海などの自然生態系がこれまでのように吸収しなかったのです。森林火災や干ばつが増えてCO2吸収量が減るエルニーニョの年ではありましたが、回復力喪失のサインでしょう。自然も潜在的なCO2輩出源になり得るのです」
 「回復力があるうちは、温室効果ガスを生物圏内にとどめておくことが出来ますが、弱ったところにルニーニョや熱波など、ちょっとした一撃が加えられて転換点を超えれば、地球は別の状態にかわり、もとに戻れなくなる。5
     <検>環境、<検>政治

'18.8.2.朝日新聞・ ストックホルム・レジリエンス・センター所長・ヨハン・ロックストロームさん