散歩道<6494>
耕論・ 虐待を防ぐ児相の在り方(2)
警察と全件の情報共有を
虐待のリスクが高い事例だけでなく、前例を共有すべきだと考えるのは、1回の家庭訪問でリスクの正確な判断は不可能だからです。2年前の埼玉県狭山市の例では、警察は通報せを受け訪問した際に虐待ではないと判断を誤り児相に連絡せず、3歳の女の子の虐待死を防げませんでした。
この件を教訓に、警察は虐待の可能性がある情報は全て児相に提供し始め、昨年は6万5千件を通告しました。一方で児相から警察への提供は数%程度です。虐待リスクの低い案件は共通する必要はないと言われますが、そう判断した家庭で虐待死が起こっています。児相は情報を抱えこむべきではありません。
警察の全件共有には、「親が相談しずらくなる」「監視社会になる」と懸念する声もあります。しかし小さな子は自ら助けを求め、逃げることは出来ません。児相が警察に知らせず連携しないまま子供が虐待死する、そんな社会でいいのでしょうか。
'18.6.29. 朝日新聞 .NPO法人シンクキッズ代表理事・後藤 啓二氏