散歩道<832b>
新春対談・五木寛之氏・大谷光真氏(2) (1)~(4)へ続く
嘆く心取り戻そう
大谷:その一方で宗教の危険性に常に気をつけてないといけません。宗教は内面を転換する力を持っていますから沈んでいる人が元気を取り戻すきっかけになれば、悪事につながる方向に転換する場合もあります。宗教には色々ありますが、必ず危険な面をもっている。よく効く薬には副作用があるように、危なくない宗教には影響力がありません。
五木:宗教人として発言しにくいことを勇気をもっていってくださいました。宗教には難しい面が潜んでいる。それをぬきさり、副作用を無くしてしまえば私も宗教としての効果はないと思います。
大谷:オウム*A真理教の事件を機に、特に若い世代に「宗教は危ない」とか、「戦争の原因に成っている」と疑問視しています。既成の宗教は言い訳や弁解的なことは出来ますが、中々積極的に立ち上がることはむずかしい。あの事件から宗教はまだ立ち直っていません。紛争や暴力でも、宗教が積極的にかかわる場合もあれば、引きずり込まれる場合もある。佛教は争いごとを煩悩として否定してきたわけですから、争いを鎮める方向にあるとはいえ、歴史を見るとそうとばかりいえない。紛争、暴力という火に油を注ぐのではなく、鎮めるよう尽力することが、宗教に深くかかわるものの責任だと思います。宗教への門のアレルギ-もあると思います。事件が起きると宗教は恐ろしいと思い、学校教育でも子供を近づけないようにする。京都の社寺にきても今は門前で告知するそうですね、行きたくなければいかなくてもよい、と、公の場に宗教を少しでも持ち込むのはいけない、という不思議な先入観があるようです。
大谷:宗教儀礼に参加させるのはどうかと思いますが、色々なところへ行き、中に入って見ることは非常に大事だと思うのです。見ないで不安がったり、中途半端な知識のままでいたりするのが、一番危ないと思います。
'06.1.1.朝日新聞 対談: 浄土真宗本願寺派第24代門主・西本願寺住職。大谷光真氏、作家・五木寛之氏
散歩道<344>面白い本・生きる言葉(1)~(3)、<444>五木寛之様・京都、佛教、国際貢献及諸教混合(1)~(2) 、<1803>人を恨み、仕返しをしてはいけない。(1)~(3)、<810>備考*A
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