散歩道<6121 >
文化・文芸 維新150年 苅部直・東大教授に聞く(2)
自由平等こそ「明治の精神」
身分制に批判 文明開化が定着
苅部さんは江戸時代から明治にかけての知識人や商人らの記述を幅広く検討。伝統的なイメージのある儒学思想などの中から、為政者の世襲や身分秩序を批判する嗜好が汲み上げられ、江戸後期の日本社会に浸透していく道筋を見出した。
「江戸期の終盤、日本列島には、身分支配への批判が充満してきたと私は見ます。生家に恵まれるかどうかで人生が決ってしまうことへの不満でした」
そこへ、西洋近代に関する情報が入ってきた。
「西洋には、より自由・平等で福祉の整った社会があった。人々は徳川時代に培われていた価値観に基づいて、人間の生きる社会としてマッチ宇な面ンが西洋しょこkにあると評価し、自分たちもそうなりたいと願った。だからこそ文明開化は日本社会に定着した」
明治期の事件として、武士が世襲によって統治を担う体制が終わった廃藩置県(1871年)を重視するよう勧める。
「武士身分の解体を象徴する事件だからです」。もちろん、廃藩置県んで「生まれや育ちに縛られない社会」が一気に実現したわけではない。苅部さんは150年間」の折り返し地点にも注目を促す。今から約70年前、「戦後」改革の中で進められた財閥解体と農地解放(改革)だ。
「人々を縛りから解放するという点で、廃藩置県と共通性のある動きです。150年を振り返るなら、戦前と戦後を貫く流れにも目配りした方がいい」
<検>政治 <検>教養、