散歩道<6110>

                                  著者に 会いたい(1)…遺言


 400万部を超えるベストセラー『バカの壁』も市議汽笛なタイトルだった。本人はいかにも血色はよさそうなのだが、今回は『遺言』なのだという。
「いやなんとなくという感じですよ。いつ倒れてもおかしくない年代ですから、とりあえず言いたいことを言っておこうかと」
 いい事の一つに「意識」が引き起こす害がある。目や耳などを通じて受ける感覚に対して、そこに「同じもの」を見つけ、意味に変換し、秩序を与えるのが「意識」。動物は感覚を使って生き、人間の活動の大部分は「意識」に基づく。そして、」都市化が進む社会で暮らすと「間隔入力を一定に限ってしまい、意味しか扱わず、意識の世界に住み着いている」ようになるのだと書く。
 「ほとんど病気に近づいています。そのしっぺ返しで子供が減っているのでは。意識の中に住み着いてしまったような人間に子供は、経済的でも効率的でも合理的でもないもの、邪魔にさえ映るのでしょう」
 

'17.12.3.  朝日新聞  養老孟司氏