散歩道<6074>
                          インド トイレが遠い(2)  「家から離せ」ヒンドゥーの教え

 毎朝川まで20分 野外排泄で感染症も   

 国連児童基金(ユニセフ)の調査によると、インドでは2015年、5億2300万人が野外で用を足していた。世界全体では約9億人で、インドだけでその6割を占める。野外での排泄が主な原因とされる感染症で、5歳以下の子供が約12万人も死亡している。
 経済成長が進み、携帯電話の普及率が8割にもなったにもかかわらず、人々がトイレをつくることを嫌う背景の1つがヒンドゥー教の教えだ。
 バラナシから車で1時間半のパヤグプル村。Uさん(35)は今年1月家を建てる際、ヒンドゥー僧侶に忠告された。「トイレは家にあってはならない」
 ヒンドゥー教では「浄と不浄」という観念が強く意識される。物理的な清潔、不潔とは異なるものだ。神聖視する牛のふんは不浄とはみなされず、宗教儀式や日常の燃料として重宝される。一方で、ヒトの排出物や汗などは不浄とされる。カーストも浄と不浄に基づき、最上層は浄と見なされ、下層の人は不浄とされる。古代のインドの経典には「大小便に用いた水は家から離れた所で処理すべきである」と記されている。

 <検>環境、<検>外国、       ’17.11.27.朝日新聞