散歩道<6042>
波聞風問・不正続く製造業 経営も現場で5回の「なぜ」(3)
何十年もど続いたのに役員たちはなぜ気づかない?若くして役員に抜擢されたのならともかく、様々な部署を渡り歩き、役員に上りつめるのが日本企業では普通だ。工場で働いたり、役員ならば現場に足を運んだりしたこともあるはずだ。「知らなかった」では通らない。
専門家の意見を聞いてみよう。生産現場にくわしい法政大の西岡靖之教授は「現場だけでなく、現場と直結した経営こそ日本の製造業の強みだった」と指摘する。現場の問題もあるが、経営者がグローバル化や目先の利益を追うあまり、現場との意思疎通が不十分になっていたとみる。
ものつくり研究の第一人者と知られる東京大の藤本隆宏教授は「同様の逸脱行為は他の産業や企業にも潜んでいる恐れがあり、その発覚が今後も続けば、日本製品全体の信頼が失墜する。全産業で問題を解決しきる覚悟が必要だ」と話す。
旧トヨタ自動車工業の副社長だった大野氏は「裏づけを持って説得しないと現場は動いてくれない」と語り、カイゼンの心構えをこう説く。現場に終日立ちつくしてみよ、何をしなければならないのかが、おのずとわかる、と。
不信を断ち切るには、経営と現場が一体となって「なぜ」を繰り返すしかない。<検>企業
'17.11.7.朝日新聞・編集委員・堀篭俊材氏
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