散歩道<6038>
経済気象台(855)・降ろせぬ物価目標
日銀の金融政策の新しい枠組みを導入して1年がたった。物価上昇に時間がかかることを踏まえ、長期金利の極端な低下を抑えて金融緩和の持続性を高める狙いだ。その結果、それまで繰り返された追加緩和観測は沈静化し、金融政策は上手く運営されてきたと言える。
ただ、日銀が掲げる物価上昇率2%の目標を達成する見通しは立たない。実質国内総生産(GDP)が6四半期連続でプラス成長となるなど景気は強調ながら、物価は低迷が続く。日銀は目標の達成時期を6回も延期しておりみのたけにあった目標に引き下げるべきだtぽい意見が浮上している。
しかし、2%の旗を掲げ続ける意味は大きい。先進国がそろって2%程度を目標とする中、日本だけ目標を引き下げれば、市場はデフレ克服と金融緩和へのコミットメントが弱まったと受け止める。そうなれば円高リスクが一気に高まり、企業収益にも悪影響が及ぶ。その場合、追加の金融緩和策はほとんどない。折角円高対策としての金融緩和と財政拡大というパタ-ンと決別したのに、元も子もなくなる。
投機筋の中には「財務相や日銀総裁が変われば日本に関心がある」という向きもある。2%目標が引き下げられて市場が変動すれば大きなチャンスが生まれるからだ。一方、中長期目標の投資家の関心は、労働市場や働き方改革、岩盤規制の撤廃などにある。それによって企業が成長し、設備投資と賃金引き上げに資金ンが振り向けられることに期待している。
今後の経済状況によっては、2%目標を見直す必要が出て来るかもしれない。それまでにゃらなくてはならないことははっきりしている。
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