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                           テロと戦争(1)                    (1)~(4)続けます

 20世紀の政治は戦争と革命の悲劇に大きく彩られていた。21世紀の政治はしばらくテロ根絶への取り組みに追われるだろう。テロの定義は優に100を超える、国連でさえ定義をまとめられないのが現状である。それは民族解放闘争とテロとの間に微妙なグレーゾーンがあるからだ。ドイツ占領下でフランス人の抵抗は、1949年のジュネーブ条約で合法性が追認された。フランス人のテロは認められたのに、現代のイラクやパレスチナ抵抗運動はなぜにテロとして排斥されるのかという疑問が出るかもしれない。いかに卑怯と言われようとも、テロとは別の手段による政治の延長だと考える者は暫く後をたたないだろう。フランスの哲学者ボードリヤールは、「テロリズムには意味も目的もなく。その現実的・政治的・歴史的な帰結には見合わない」と性格付けたが、テロと現代政治との関係はもっと複雑である。過去のテロといえばどれほど凶悪であっても目標が限定されていて、無差別に市民を巻き込むことはなかった。実際に、テロには強力な支配者に対する弱者のゲリラ戦争の一部となった歴史も多い、そしてゲリラ戦争のない民族解放運動はありあえなかった。これは自決と建国を目指したユダヤ人(イスラエル)とパレスチナ(アラブ)人の双方いずれにもテロの記憶が付きまとうことを見ればよく分かる。 2005年10月14日     '17.11.4  

 
'05.9.5.朝日新聞・東京大学教授
山内 昌之様

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