散歩道<6015>

                                        経済気象台(854)・勤勉さと生産性
 
 「日本人は勤勉だ」という言葉には異を唱える人は少ない資源の少ない日本が、失われた20年を経てなお世界3位の経済大国でいられる要因の1つは、国民の勤勉さである。
 だが経済的な豊かさの視点から見ると、日本人の勤勉さは必ずしも豊かさには結びついていない。日本の1人当たり名目GDP(国内総生産)は4万ドル未満。世界22位と低迷している。首位ルクセンブルグの3割強、8位の米国の6割強の水準に過ぎない。
 また、1時間当たり労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟国35ヶ国中20位で、英国やイタリアを下回り、日本の生産性の低さが際立つ。
 一部の製造業では目を見張るような生産性の高い企業があるが、非製造業部門では、非効率がめだつ。特にGDPの7割を占めるサービス産業での生産性の低さを指摘する声がある。
 生産性を上げる為には変化を恐れず非効率な部分を改革する必要がある。形骸化した会議、不必要な書類の作成や煩雑な手続き、ずさんな在庫管理など改善すべきことは多い。まずトップが勤勉さと生産性は連動しないことを認識して、改革の前面に立たないと変わらない。ITや女性の活用が不十分な企業も多い。女性の就業率は上がっているが、非正規雇用の割合も増えていて年収は男性の約半分。先進国の女性が男性の8割の収入を得ているのに比べると少ない。女性に付加価値の高い仕事をまかせ、生産性を上げるのは経営者の仕事だ。
 「過労死」が社会問題化し、政府は働き方改革に乗り出しているが、労働時間の短縮のみでなく、社員の勤勉さを生産性向上に生かすことに知恵を絞るべきだ。
'17.9.15, 朝日新聞

備考:思い切った適材適所の仕事を与えれば、人は予想以上の能力を発揮するのではないか、。

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