散歩道<6014>
経済気象台(853)・リーマン破綻の教訓
2008年9月15日、米国4位の証券会社だったリーマン・ブラザーズが経営破綻した。それから9年。我々はリーマン・ショックから何を生かしてきたのだろう。ショックの契機は、サブプライム住宅ローンを背景とするバブル崩壊だった。バブル崩壊はいつも金融危機と未曾有のコストをもたらしてきた。
改めてその教訓を三つあげたい。
まず、バブルの背景には必ず行き過ぎた金融緩和がある。過度な緩和が景気拡大期まで続き資産価格暴騰に繋がった。金融ショックは拡大期終盤に起きることが多い。
緩和継続やバブルを正当化する論議も強まる。物価上昇率の低さが緩和継続の口実にされるのはよくあることだ。日本の土地神話や、ITバブルでのニューエコノミー論などもバブルの正当化に利用された。そして、バブルは気付くのが難しい。だからこそ、その芽を積むのが重要だ。
現在はどうか。米国は景気拡大が9年目に入り、日本は戦後二番目に長い「いざなぎ景気」(57か月)に並ぶ可能性がある。
米国は利上げに転じたが、依然として中央銀行のマネーが市場にはジャブジャブにあふれる。日本では異次元緩和の継続が当然視される。怖いのは、「物価目標に届いていないから緩和は当然」「日本銀行が損失を出しても問題ない」との声があることだ。
資産価格は消費者物価と関係なく高騰する。中央銀行が「物価目標」にとらわれ過度な緩和を続ける間に、バブルの芽はどんどん育っていく。
市場では最近、「国債ばぶる」がささやかれ、リスクの高いジャンク債へ余剰資金がどんどん流入している。
改めてバブルの教訓を思い出す必要がある。 '17.9.15, 朝日新聞
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