散歩道<5951>

                                   波聞風問・企業の採用。博士人材 使えないのは本当か
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 「日本人は資源。人材力が低下する事は大学にも、産業界にも危機的だ」
 6月中旬、関西の企業と大学のトップが産学連携の将来を探る研究会の場だった。座長の小林傅司・大阪大副学長からの大学の現状報告は厳しいものだった。
 政府からの運営資金が減り、大学の財政事情が厳しいことは知られる。ただ、博士課程へ進む学生が減り続けているのは意外だった。修士から博士へ進む人の割合は2001年度の15%台から、16年度の9.3%に減っている。
 「末は博士か大臣か」と言われた時代もあった。いま、大臣の資質が厳しく問われているだけでなく、博士の人気も下がり坂なのだ。
 なぜ、博士希望者が減ったのか。きっかけは90年代、政府が進めた大学院改革だった。定員を2倍にしたが、就職先の教員数は増えず、大学に残れても多くは任期付きポストでしかない。 
<検>教育、<検>企業

'17.8.8.編集委員・多賀谷 克彦氏