散歩道<5938>
経済気象台(842)・変わる大学教育
文部科学省による違法な大学への「天下り」あっせんに対する批判が高まっているが。このような事件は起こるべきして起きた。この十数年、政治と行政主導で、大学教育が大きく変わろうとしている。今では普通に実施されている授業内容を詳しく説明するシラバスや大学の外部評価、それにアクティブ・プラーニング(能動的学習)、ルーブリック(評価手法)などという用語は。30代後半以上にはなじみが薄いのではないか。
これ等大学教育の質改善を目指す政策の結果、大学側は大量の報告書作成に追われ、文科省の一挙手一投足に戦線恐々とする状況が生まれている。おまけに文科省は大学への補助金を握っているから、、実は大学側もありがたがって文科省から教職員を受け入れている。
大学教育に改革が必要なのは確かだ。高度成長期以来の需要拡大を背景に、大学の数は驚くほど増えた。大学進学率の上昇により大学は努力なしに定員を確保出来たが、この数年、大学生の数は頭打ちになり、大学淘汰(とうた)の時代はもう始まっておる。それに加えて、産業界からの批判や国際比較などによって日本の大学教育の質が厳しく問われている。
だが、今の改革は大学にアリバイづくりの大量の文書作成を促すだけで、肝心の授業内容はあまり改善されていない。大学側も、学生よりも文科省の顔色をうかがっている。これは時代遅れの産業政策に似ている。
大学改革は大学を守るのではなく、大学間の競争を促すことが必要だ。政府の役割は細かい規則を守らせることではなく、最低限の基準をつくったうえで大学に創意工夫を発揮させるべきでだ。それが出来ない大学は淘汰に任せてよいのではないか。 <検>経済気象台、<検>教育 '17.3.1.
備考:これからの時代は学生から行ってみたいという大学や、あの大学のあの先生に何を学びたいという学部や自分が伸ばしたい能力を身に付けられるようなイメージの大学が多く出来ることが求められているように思う。
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