散歩道<5935>
日曜に想う・未来世代に仕掛ける戦争(2)
歳月をかけて地球が蓄えた石炭や石油を大量に消費して、私たちは華やぐ。
二酸化炭素など温室効果ガスの排出量は跳ね上がり、それが」主因とみられる温暖化が進む。
極地の氷は解け、海面は上昇し、多発する幸寿祖谷干ばつが新たな貧困ンを生んで、紛争やテロの種をまく。
そうした機構変動への危機感ンを各国が共有したのが、温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」である。2年前、190を超す国が利害を超えて合意し、昨年秋に発効した。
地球を後世に引き継ぐという「意志」が吹き込まれた、人類共通の財産ともいえるものだ。
ところが、例によってトランプ大統領である。「「アメリカ第一」をうたう身勝手な理屈を並べて離脱を表明し、先日正式に国連に通知した。2年前に繊細で困難な合意を主導したのは米国だった。この人は就任以来、合理や厚生により好悪とそろばんでものごとをはかり、前任のオバマ氏のレガシー(政治的遺産)をともかくつぶすという自己顕示が先に立つ。
温暖化を虚構だというトランプ氏の頭には、化石燃料の煙をもくもく噴き上げるのが「強いアメリカ」という図があるのだろうか。不都合な事実にふたをする為か、環境保護局や海洋大気局の予算は大幅に削られると伝えられ、コック内外に懸念と反発の声が広がっている。
環境問題と大統領出思い出すのは、あの「沈黙の春」である。1960年代初め、米の科学者レイチェル・カーソンが著書で農薬のもたらす環境汚染を告発すると、業界は「根拠がない」と猛反発した。しかしケネディ大統領は告発の重みを見抜いて当局に調査を指示した。そうして流れは変わり、農薬の使用を出来るだけ減らす考え方は広まっていった。
ケネディは偉かったと手放しで持ち上げるつもりはないけれど、現職との落差には心底安全とさせられる。 ’'17.8.20. 朝日新聞・編集委員・福島申二氏
<検>政治、<検>外国、
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