散歩道<5924>

                                       経済気象台(835)・内向き時代の始まり

 1990年代以降、経済成長の原動力はグロバリゼーションだった。市場開放や自由化、経済統合に伴い、世界規模で貿易や投資、金融とりひきが急速に拡大して、経済成長を押し上げた。
 しかし今、グロバリゼーションは逆流を始めている。世界貿易の伸びはGDP(国内総生産)の伸びを下回り、対外投資も鈍化している。失業や社会の不安定化など、移民増大に対する懸念が強まり、英国民はEU(欧州連合)離脱を選択した。
 そのような変化の背景にはグロバリゼーションがもたらした経済社会の不均衡がある。世界貿易の拡大は先進国製造業の空洞化や失業、賃金の下落を招いた。国際金融の拡大は過大な資金資金流入によるバブルや、急速な資金流出による混乱をもたらした。所得、資産の格差が拡大し、多くの労働者にとって雇用・賃金は不確実なものとなった。
 問題は政治家に代表されるエスタブリッシュメントが、それに見て見ぬふりをしてきたところにある。彼らは、グロバリゼーションの利益を喧伝(けんでん)する一方で、不利益を過小評価してきた。格差拡大に懸念を示しはするが、処方箋を考えようとはしなかった。移民の経済的利益を強調する一方で、それがもたらす社会的緊張には目をつぶった。

 それに対する異議申し立てが、最近目立つ政治的異端者の台頭であろう。その象徴がトランプ氏であり、サンダース氏だった。彼らは本音でグロバリゼーションを語り、取り残された国民の復権を訴えた。だからこそ有権者の支持を集めたのだ。トランプ新大統領の登場によって世界の景気は激変する。大恐慌時にみられるたような「内向き経済」の時代が始まる。<検>経済気象台

備考:世界的なグロバリゼーションの流れは、いいこと、よくないこと、色んな分野で同時にもたらすものだと思う。今一番解決しなくてはいけないのは格差問題である世界的な話会の中で解決すべきテーマだと思う。内向き方法では、解決できないと思います。  '17.10.6.